かぜ薬に配合されている抗ヒスタミン薬は、効果や眠気などの副作用に個人差があると言われます。
あるかぜ薬を服用しても、「鼻みずが止まらなかった」または「眠気がきつかった」という経験はありませんか?
市販のかぜ薬を抗ヒスタミン薬で分類してみます。
配合されている抗ヒスタミン薬を把握しておくと、“効果が感じられた商品”または“眠気を感じなかった商品”を選べるようになります。
当記事中では、メジャーな市販のかぜ薬である「パブロン・ルルA・ストナ」で比較したいと思います。
各ブランドの詳細については、以下の記事にまとめています。
●パブロンシリーズ
●ルルAシリーズ
●ストナシリーズ
Contents
計10種類の商品を比較
「パブロン・ルル・ストナ」計10種類の商品に配合されている抗ヒスタミン薬を比較します。
比較する具体的な商品は次の商品です。
<パブロンシリーズ>
●パブロンゴールドA
●パブロンSα
●パブロンSゴールドW
●パブロンエースPro
<ルルAシリーズ>
●新ルル-A錠s
●新ルルAゴールドs
●新ルルAゴールドDX
<ストナシリーズ>
●ストナジェルサイナス
●ストナプラスジェルS
●ストナアイビージェルS
抗ヒスタミン薬は4種類
上記10種類のかぜ薬に配合されている抗ヒスタミン薬は、次の4種類です。
①クロルフェニラミン(d-クロルフェニラミン)
②クレマスチン
③マレイン酸カルビノキサミン
④ジフェニルピラリン塩酸塩
上2つ(クロルフェニラミン・クレマスチン)は、処方せん用医薬品としても使用されています。
①クロルフェニラミン(d-クロルフェニラミン)
クロルフェニラミンは、10商品中次の4商品に配合されています。
●パブロンゴールドA
●パブロンSゴールドW
●パブロンエースPro
●ストナアイビージェルS
「パブロン」には、主にクロルフェニラミンが配合されています。
クロルフェニラミンは眠くなりやすい抗ヒスタミン薬(第一世代抗ヒスタミン薬)に分類されます。
しかし、クロルフェニラミンは第一世代抗ヒスタミン薬の中において、比較的眠気を引き起こしにくい抗ヒスタミン薬と言われています(少しややこしいでしょうか?)
以上のことを踏まえると、まずは、クロルフェニラミンを配合したかぜ薬を選んでみてもいいのではないかと考えています。
また、数多くのかぜ薬の中から商品を選ぶ際には、必要最低限の有効成分で効果が期待できる「パブロンSゴールドW」を基準に選ぶと、選びやすいのではないかと考えています。
「パブロンSゴールドW」に配合されている有効成分は、病院でかぜ薬の処方を受けたときに貰うような成分でもあります。
かぜできつい中、わざわざ病院に行かずとも、処方を受けるであろう薬と同じような薬を、市販薬として手に取ることはできるわけです。
②クレマスチン
クレマスチンは、10商品中次の3商品に配合されています。
●新ルル-A錠s
●新ルルAゴールドs
●新ルルAゴールドDX
「ルルA」シリーズには、クレマスチンが配合されています。
クレマスチンもクロルフェニラミン同様、第一世代抗ヒスタミン薬です(つまり、眠くなりやすい)
クレマスチンはクロルフェニラミンよりも、眠くなりやすいと考えられています。眠くなりやすいとは言うものの、個人差があります。
「ルルAシリーズ」から商品を選ぶ際には、「新ルルAゴールドs」を基準に選ぶと、選びやすいのではないかと考えています。
また、「パブロン」と「ルルA」の有効成分については、こちらの記事で詳細に比較しています。
③マレイン酸カルビノキサミン
マレイン酸カルビノキサミンは、10商品中次の1商品にだけ配合されています。
●パブロンSα
「パブロン」シリーズにおいて、唯一クロルフェニラミンを配合していない商品が「パブロンSα」です。
クロルフェニラミンを配合している「パブロン商品」で眠気などのトラブルを感じた場合などの選択肢の1つとして使用できるでしょう。
④ジフェニルピラリン塩酸塩
ジフェニルピラリン塩酸塩は、10商品中次の2商品に配合されています。
●ストナジェルサイナス
●ストナプラスジェルS
上記2種類の「ストナ」には、ジフェニルピラリン塩酸塩が配合されています。
もう1種類の「ストナアイビージェルS」には、クロルフェニラミンが配合されています。
抗ヒスタミン薬という観点から「ストナ」シリーズを選ぶとするなら、2つの選択肢が用意されていることになります。
番外編①:ベラドンナ総アルカロイド
10商品中次の3種類には、”ベラドンナ総アルカロイド”という有効成分が配合されています。
●新ルルA錠ゴールドs
●新ルルAゴールドDX
●ストナジェルサイナス
ベラドンナ総アルカロイドも”鼻みずを抑える”ために配合されています。
しかし、抗ヒスタミン薬とは異なる機序で効果を発揮します(抗コリン作用)
抗ヒスタミン薬の代表的な副作用は”眠気”です。
一方で、抗コリン薬の代表的な副作用は”口渇・便秘”です。
ベラドンナ総アルカロイドのような抗コリン薬を服用したからと言って、必ず”口渇・便秘”といった副作用を引き起こすわけではありません。
ただ、そのリスクは考えられます。なるべくなら、必要最低限の有効成分で構成されたかぜ薬を選ぶべきでしょう。
番外編②:抗ヒスタミン薬フリーのかぜ薬
ここまで、抗ヒスタミン薬ごとに3ブランドの商品を分類してきました。
ちなみに、抗ヒスタミン薬が配合されていない(抗ヒスタミン薬フリー)商品も販売されています。
その商品が「パブロン50」です。
抗ヒスタミン薬を服用すると、どうしても眠くなるという方は「パブロン50」のような抗ヒスタミン薬フリーのかぜ薬の服用を検討しても良いのでしょう。
顆粒の商品も販売されています。
抗ヒスタミン薬フリーの「パブロン50」の詳細や選ぶポイントなどについては、こちらの記事にまとめています。
まとめ
ここまで、「パブロン・ルル・ストナ」計10種類のかぜ薬を、配合されている抗ヒスタミン薬で分類してみました。
10種類のかぜ薬には、「クロルフェニラミン、クレマスチン、マレイン酸カルビノキサミン、ジフェニルピラリン塩酸塩」4種類の抗ヒスタミン薬が配合されています。
抗ヒスタミン薬の効果や眠気などの副作用は個人差があると言われます。
「効果が実感できた・眠気を感じなかった」抗ヒスタミン薬を把握しておけば、かぜ薬を選ぶ際に役立つでしょう。
また、効果が実感できる抗ヒスタミン薬を把握しておけば、急に”くしゃみ・鼻みず”が出始めたとき服用することもできるでしょう。
ただし、かぜ薬(総合感冒薬)には、抗ヒスタミン薬以外も配合されています。
万が一のときには、このような服用方法もできるでしょうが、花粉症などの方は、花粉症用の市販薬を服用するに越したことはないでしょう。
ちなみに、鼻炎・花粉症の市販薬については、こちらの記事にまとめています。