「ベンザブロックプラス」シリーズの違いと選び方、スタンダードな「ベンザブロック」との使い分けなどを紹介します。
「ベンザブロックプラス」シリーズには、以下3種類の商品が販売されています。
●ベンザブロックIPプラス(青のベンザ)
●ベンザブロックLプラス(銀のベンザ)
●ベンザブロックSプラス(黄色のベンザ)
Contents
「ベンザブロックプラス」シリーズの違い~成分比較~
「ベンザブロックプラス」シリーズの違いを確認するために、各商品に配合されている有効成分を比較してみます。
ベンザブロックIPプラス | ベンザブロックLプラス | ベンザブロックSプラス | ||
解熱鎮痛薬 (熱さまし・痛み止め) |
イブプロフェン | 120mg | 150mg | ー |
アセトアミノフェン | 60mg | ー | 300mg | |
せき | ジヒドロコデイン | 8mg | 8mg | 8mg |
dl-メチルエフェドリン | 20mg | ー | 20mg | |
たん | L-カルボシステイン | ー | 250mg | ー |
のどの痛み・炎症 | トラネキサム酸 | ー | ー | 140mg |
くしゃみ・鼻みず | d-クロルフェニラミン | 1.17mg | 1.17mg | 1.17mg |
ヨウ化イソプロパミド | ー | ー | 2mg | |
鼻づまり | 塩酸プソイドエフェドリン | ー | 45mg | ー |
鎮痛補助薬 | 無水カフェイン | 25mg | 25mg | 25mg |
ビタミン剤 | ヘスペリジン | 30mg | ー | 30mg |
リボフラビン (ビタミンB2) |
ー | ー | 4mg | |
アスコルビン酸 (ビタミンC) |
167mg | ー | ー | |
服用対象年齢 | 15歳から | 15歳から | 12歳から | |
1回服用量(カプレット) | 2錠 | 2錠 | 2錠(または1錠) | |
1回服用量(錠剤) | 3錠 | 3錠 | 3錠(または2錠) |
服用対象年齢も次のように異なっています。
●ベンザブロックIPプラス:15歳から服用可能
●ベンザブロックLプラス:15歳から服用
●ベンザブロックSプラス:12歳から服用
代表的なかぜの諸症状、熱や痛み(頭痛・関節痛)・のど(せき・たん)・鼻(くしゃみ・鼻みず・鼻づまり)、に対して効く成分はどの商品にも配合されています。
しかし、有効成分がそれぞれの商品で少しずつ異なっており、特に有効となるかぜの症状が商品ごとに異なります。
続いて、各商品の特徴などについて紹介します。
長期保存・携帯に便利なカプレットタイプ
各商品の特徴・選び方を紹介する前に、「ベンザブロックプラス」には”カプレット”というユニークな形状の製剤について紹介します。
“カプレット”とは、”カプセルの形をした錠剤”の製剤で、次のような商品です(写真は「ベンザブロック」シリーズ)
カプレットタイプの商品は、小型で細長く、比較的服用しやすいとされています。
また、1回あたりの服用量(錠剤なら1回3錠のところ、カプレットなら1回2錠)が少なく済む上、PTP包装なので、保存・衛生面においても安心して服用できます。
それでは、各商品の特徴などについて紹介します。
「ベンザブロック」との違い~何がプラスになった?~
「ベンザブロックプラス」というネーミングですから、有効成分に何かがプラスされているわけです。
それでは、スタンダードな「ベンザブロック」に何がプラスになったかというと、次の成分です。
●ベンザブロックIPプラス
→「ベンザブロックIP」に”解熱鎮痛薬・ビタミンC”がプラス
●ベンザブロックLプラス
→「ベンザブロックL」に”去痰薬”がプラス
●ベンザブロックSプラス
→「ベンザブロックS」に”ビタミンB2″がプラス
プラスになった有効成分も踏まえながら、「ベンザブロックプラス」シリーズの特徴や選び方などを紹介します。
“痛み”がつらいとき 青のベンザ「ベンザブロックIPプラス」
「ベンザブロックIPプラス」は、「ベンザブロックIP」に”解熱鎮痛薬”と”ビタミンC”が追加で配合されてた商品となります。
「頭痛・関節痛・のどの痛み」など、”痛み“がつらいときは「ベンザブロックIPプラス」です。
「ベンザブロックIPプラス」には、解熱鎮痛薬として”イブプロフェン”が配合されています。
市販薬として一般的に使用される解熱鎮痛薬に”アセトアミノフェン”があります。
“アセトアミノフェン”は、「ベンザブロックプラス」シリーズにおいて、「ベンザブロックSプラス」に配合されています。
“イブプロフェン”と”アセトアミノフェン”の違いは鎮痛効果です。鎮痛効果は”イブプロフェン”のほうが高いと考えられています。
<鎮痛効果の大小>
イブプロフェン>アセトアミノフェン
そのため、「ベンザブロックIPプラス」は、「頭痛・関節痛・のどの痛み」などの”痛み”がつらいときに最適な商品と言えます。
1回の服用量が少なくて済む、カプレットタイプの商品はこちら
“痛み”・”鼻づまり”・”たんの絡み”がつらいとき 銀のベンザ「ベンザブロックLプラス」
「ベンザブロックLプラス」は、「ベンザブロックL」に”去痰薬”が追加で配合されてた商品となります。
「頭痛・関節痛・のどの痛み」などの”痛み“や”鼻づまり“、”たんの絡み“がつらいときは「ベンザブロックLプラス」です。
「ベンザブロックLプラス」にも、「ベンザブロックIPプラス」と同様、解熱鎮痛薬として鎮痛効果がより高い”イブプロフェン”が配合されています。
さらに、「ベンザブロックLプラス」には”塩酸プソイドエフェドリン”という「鼻づまり改善薬」、”L-カルボシステイン”という「去痰薬(たん切り)」が配合されています。
そのため、「ベンザブロックLプラス」は、頭痛・関節痛・のどなどの痛み、鼻づまり、たんの絡みがつらいときに最適な商品と言えます。
1回の服用量が少なくて済む、カプレットタイプの商品はこちら
発熱・鼻みずがつらいとき 黄色のベンザ「ベンザブロックSプラス」
「ベンザブロックSプラス」は、「ベンザブロックS」に”ビタミンB2″が追加で配合されてた商品となります。
“発熱“・”くしゃみ・鼻みず“などの鼻症状がつらいときは「ベンザブロックSプラス」です。
先に触れましたが、「ベンザブロックSプラス」には解熱鎮痛薬として”アセトアミノフェン”が配合されています。
“アセトアミノフェン”の鎮痛効果は、他2商品に配合されている”イブプロフェン”には劣りますが、解熱作用はしっかりしています。
また、鎮痛効果は”イブプロフェン”に劣ると言えども、ゼロではありません。
さらに、「ベンザブロックSプラス」には、くしゃみ・鼻みずなどの鼻症状緩和のため、一般的に使用される抗ヒスタミン薬に加えて、”ヨウ化イソプロパミド”という”鼻みず止め”も配合されています。
「ベンザブロックSプラス」は、発熱、のどの痛み、鼻みずがつらいときに最適な商品と言えます。
1回の服用量が少なくて済む、カプレットタイプの商品はこちら
「ベンザブロックプラス」シリーズの中で唯一、15歳未満の子供さんでも服用できる商品です。
「ベンザブロックプラス」シリーズの選び方
ここまで、「ベンザブロックプラス」シリーズの有効成分上の違いや各商品の特徴などについて紹介しました。
それを踏まえた選び方についても、各商品の段落で触れていますが、ここで1度まとめます。
●”痛み”がつらい → ベンザブロックIPプラス
●”痛み”・”鼻づまり”・”たん”がつらい → ベンザブロックLプラス
●”発熱”・”くしゃみ・鼻みず”がつらい → ベンザブロックSプラス
また、「ベンザブロックSプラス」は12歳から服用可能、「ベンザブロックIPプラス」・「ベンザブロックLプラス」は15歳から服用、と服用対象年齢も異なっています。
「ベンザブロック」シリーズとの使い分け
“プラス”になった成分も踏まえて、「ベンザブロック」シリーズと「ベンザブロックプラス」シリーズの違いや使い分けについても考えてみます。
結論から言えば、「ベンザブロック」と「ベンザブロックプラス」シリーズでの使い分けについては、
基本的に不要
と考えます。
つまり、スタンダードな「ベンザブロック」シリーズで、十分事足りるのではないかと考えています。
なぜなら、”プラス”されている有効成分は、直接的にかぜの諸症状を緩和するものではないからです。
「ベンザブロック」シリーズの違いや選び方・選ぶポイントなどについては、こちらの記事にまとめています。
「ベンザブロックLプラス」は選ぶ価値あり
唯一、選ぶ・使い分けるとすれば「ベンザブロックLプラス」です。
カルボシステインという去痰薬(痰切り)が「ベンザブロックL」に追加で配合されています。
「ベンザブロックL」は、頭痛・関節痛・のどの痛み、鼻づまりがつらいときに最適な商品でした。
「ベンザブロックLプラス」には、去痰薬がさらに配合されています。
つまり、”頭痛・関節痛のどの痛み、鼻づまり+たんの絡み“がつらいときは「ベンザブロックLプラス」が最適だろうと思います。
「ベンザブロックプラス」シリーズまとめ
ここまで、「ベンザブロックプラス」シリーズの違いや選び方、スタンダードな「ベンザブロック」シリーズとの違いなどについて紹介してきました。
「ベンザブロックプラス」シリーズは、次のような使い分けが可能です。
●”痛み”がつらい → ベンザブロックIPプラス
●”痛み”・”鼻づまり”・”たん”がつらい → ベンザブロックLプラス
●”発熱”・”くしゃみ・鼻みず”がつらい → ベンザブロックSプラス
しかし、あえて「ベンザブロックプラス」シリーズを選ぶ必要もありません。
かぜの諸症状に有効な成分は、スタンダードな「ベンザブロック」シリーズとほとんど変わらないからです。
唯一、「ベンザブロックLプラス」だけは選ぶ価値があるように考えます。
「ベンザブロックLプラス」には、去痰薬として”L-カルボシステイン”という成分が追加で配合されているからです。
そのため、「ベンザブロックLプラス」は、頭痛・関節痛、鼻づまりの他にたんの絡みが気になる場合には、服用する価値がある商品です。
また、ベンザブロックプラスシリーズにもカプレットタイプの商品が販売されています。
カプレットタイプであれば、長期保存・携帯もしやすく、1回の服用量が少なく済むというメリットもあります。
必要に応じてカプレットタイプも選択肢の1つとしてお考えください。
「ベンザブロックプラス」シリーズ基本情報
最後になりましたが、「ベンザブロックプラス」シリーズ計3種類の有効成分や効能・効果などの基本情報を紹介しておきます。
青のベンザ 「ベンザブロックIPプラス」
「ベンザブロックL」に解熱鎮痛薬である”アセトアミノフェン”、ビタミンCである”アスコルビン酸”をプラスした商品が「ベンザブロックIPプラス」です。
<有効成分(2錠または3錠中)>
・イブプロフェン:120mg(解熱鎮痛薬)
・アセトアミノフェン:60mg(解熱鎮痛薬)
・ジヒドロコデイン:8mg(せき止め)
・dl-メチルエフェドリン:20mg(気管支拡張薬)
・d-クロルフェニラミン:1.17mg(抗ヒスタミン薬)
・無水カフェイン:25mg(頭痛緩和作用)
・アスコルビン酸・ヘスペリジン:167mg、30mg(ビタミン剤)
<効能・効果>
かぜの諸症状(鼻水、鼻づまり、のどの痛み、くしゃみ、せき、たん、悪寒、発熱、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛み)の緩和
<用法・用量>
1日3回、次の量を食後なるべく30分以内に水またはお湯でかまずに服用
・15歳以上:1回2錠(錠剤の場合3錠)
・15歳未満:服用NG
銀のベンザ 「ベンザブロックLプラス」
「ベンザブロックL」に去痰薬である”カルボシステイン”をプラスした商品が「ベンザブロックLプラス」です。
<有効成分(2錠または3錠中)>
・イブプロフェン:150mg(解熱鎮痛薬)
・ジヒドロコデイン:8mg(せき止め)
・L-カルボシステイン:250mg(去痰薬)
・d-クロルフェニラミン:1.17mg(抗ヒスタミン薬)
・塩酸プソイドエフェドリン:45mg(鼻づまり改善)
・無水カフェイン:25mg(鎮痛補助薬)
<効能・効果>
「ベンザブロックIPプラス」に同じ
<用法・用量>
1日3回、次の量を食後なるべく30分以内に水またはお湯でかまずに服用
・15歳以上:1回2錠(錠剤の場合3錠)
・15歳未満:服用NG
黄色のベンザ 「ベンザブロックSプラス」
「ベンザブロックS」にビタミン剤である”リボフラビン”をプラスした商品が「ベンザブロックSプラス」です。
<有効成分(2錠または3錠中)>
・アセトアミノフェン:300mg(解熱鎮痛薬)
・ジヒドロコデイン:8mg(せき止め)
・dl-メチルエフェドリン:20mg(気管支拡張薬)
・トラネキサム酸:140mg(抗炎症薬)
・d-クロルフェニラミン:1.17mg(抗ヒスタミン薬)
・ヨウ化イソプロパミド:2mg(鼻みず止め)
・無水カフェイン:25mg(鎮痛補助薬)
・リボフラビン、ヘスペリジン(ビタミン剤)
<効能・効果>
「ベンザブロックIPプラス」に同じ
<用法・用量>
1日3回、次の量を食後なるべく30分以内に水またはお湯でかまずに服用
・15歳以上:1回2錠(錠剤の場合3錠)
・12歳以上14歳以下:1回1錠(錠剤の場合2錠)
・12歳未満:服用NG