汗をかくたびにかゆくなる”汗かぶれ”に効くとして販売されている商品に「アセムヒEX」という市販薬があります。
同じメーカー池田模範堂から販売されており、あせも治療薬としても使用できる商品「ムヒアルファEX」と「アセムヒEX」の有効成分を比較してみます。
そして、あせもと汗かぶれの違いなどを踏まえて、汗かぶれ治療薬の必要性を考えてみます。
Contents
「アセムヒEX」・「ムヒアルファEX」有効成分を比較
「アセムヒEX」と「ムヒアルファEX」に配合されている有効成分を比較して、”汗かぶれ治療薬”の特徴を考えてみます。
アセムヒEX | ムヒアルファEX | |
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル (ステロイド薬) |
〇 | 〇 |
ジフェンヒドラミン (かゆみ止め) |
〇 | 〇 |
クロタミトン (かゆみ止め) |
〇 | 〇 |
イソプロピルメチルフェノール (殺菌剤) |
× | 〇 |
l-メントール (清涼剤) |
〇 | 〇 |
dl-カンフル (清涼剤) |
× | 〇 |
タンニン酸 (収れん薬) |
〇 | × |
比較表を見ていただくと分かるように、”汗かぶれ治療薬”とされる「アセムヒEX」には、”タンニン酸“という特徴的な有効成分が配合されています。
“タンニン酸”には、”皮膚組織の引き締め(収れん作用)・抗炎症作用”があります。
「アセムヒEX」の公式サイトには、タンニン酸の役割を「肌への汗侵入を防ぐ」と表現しています。
あせもと汗かぶれの違い
「あせもと汗かぶれの違い」について、「アセムヒEX」の公式サイトには、次のような記載があります。
●あせも:症状が”点“で起きる(点々と広がる)
●汗かぶれ:症状が”面“で起きる(面状に広がりを見せる)
あせもは、汗が分泌される汗腺(汗管)の根詰まりが原因で起こります。
そのため、赤い丘疹が点々と認められるという特徴があります。
一方の汗かぶれは、自分の流れ出した汗に肌がかぶれてしまうことで引き起こされます。
そのため、あせものように点々と広がるのではなく、ある程度の範囲に広がりを見せるということになります。
かぶれとは?
かぶれとは、”接触皮膚炎”の俗称です。
接触皮膚炎とは、
のことを指します。
ある刺激物は多岐に渡り、ある人にとっては金属(アクセサリー)であったり、化粧品であったり、植物であったりします。
当記事で話題としているのは、”汗かぶれ”です。
つまり、自分の汗が刺激物となり、皮膚が炎症を起こしていることになります。
かぶれ治療薬
かぶれ(接触皮膚炎)の原因は、刺激物と肌が接触することによります。
すなわち、かぶれを引き起こさないためには、その原因物質との接触を避けることが大前提となります。
その上で、治療薬(対症療法)として、「ステロイド外用薬」を使用します。
ステロイド外用薬には、かゆみ・炎症を鎮める作用があります。
かぶれ治療薬として、植物(草)・湿布を例に、こちらの記事にまとめています。
具体的な市販薬をお探しの方は、こちらの記事をご覧ください。
あせも治療薬
あせもは、
と紹介しました。
根詰まりを起こした箇所から、汗がしみ出して、炎症を起こした状態が”あせも”です。
つまり、”あせも”も皮膚の炎症が原因で引き起こされます。
“あせも”も炎症が原因で起こる皮膚トラブルなので、かゆみ・炎症を鎮める「ステロイド外用薬」が効果を示します。
次の記事に、「ステロイド外用薬」を含め、あせも治療に有効な市販の治療薬をまとめています。
汗かぶれ治療薬は必要?
“あせも”も”かぶれ”も、原因は皮膚の炎症です。
そのため、かゆみ・炎症を鎮める作用がある「ステロイド外用薬」を治療薬として使用します。
汗かぶれ治療薬として売り出されている「アセムヒEX」には、”タンニン酸”という特徴的な有効成分が配合されています。
汗かぶれ(かぶれ)やあせもに対して、タンニン酸は有効ではあるのでしょうが、「ステロイド薬」のみでも十分対処可能と考えられます。
そして、「アセムヒEX」にもばっちりステロイド薬が配合されています。
したがって、汗かぶれが疑われるからといって「アセムヒEX」を揃える必要は必ずしもありません。
「アセムヒEX」も「ムヒアルファEX」もステロイド薬含有の市販薬として、かゆみ・炎症を伴う様々な肌トラブルに使用していただければ結構です。
また、あれこれ複数種類の成分が配合されていない、シンプルにステロイド薬のみを配合した商品も販売されています。
シンプルな構成の商品のほうが使いやすい場合も多々あります。
「アセムヒEX」・「ムヒアルファEX」基本情報
最後になりますが、「アセムヒEX」と「ムヒアルファEX」の効能・効果や用法・用量などの基本情報を紹介しておきます。
アセムヒEX
<有効成分>
・プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル:ステロイド薬
・ジフェンヒドラミン:抗ヒスタミン薬
・クロタミトン:かゆみ止め
・l-メントール:清涼剤
・タンニン酸:収斂(しゅうれん)薬
<効能・効果>
かゆみ、かぶれ、しっしん、皮ふ炎、あせも、じんましん、虫さされ
<用法・用量>
1日数回、患部に塗布
「アセムヒEX」の特徴や選び方などについては、こちらの記事にまとめています。
ムヒアルファEX
<有効成分>
・プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(ステロイド薬)
・ジフェンヒドラミン(抗ヒスタミン薬)
・クロタミトン(かゆみ止め ※「液体ムヒアルファEX」には未配合)
・イソプロピルメチルフェノール(殺菌剤)
・l-メントール(清涼剤)
・dl-カンフル(清涼剤)
<効能・効果>
かゆみ、虫さされ、かぶれ、湿疹、かぶれ、じんましん、あせも、しもやけ、皮膚炎
<用法・用量>
1日数回、患部に塗布
「ムヒアルファEX」を含め、ムヒシリーズの種類ごとの違いや選び方などについては、こちらの記事にまとめています。