「コートf」シリーズの違いと選び方を、それぞれの商品を比較しながら紹介したいと思います。
コートfシリーズには、以下2種類の商品が販売されています。
●コートfAT軟膏・クリーム
●コートfMD
2商品の違いは、配合されているステロイド成分の強さです。
Contents
どちらも処方せん用医薬品にあり
「コートf」シリーズは2商品ともに、ステロイド成分を主成分とする商品です。
それぞれ次のステロイド成分を配合しています。
●コートfAT:プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(リドメックス)
●コートfMD:プレドニゾロン(プレドニゾロン)
※()内は同一成分を配合した処方せん用医薬品の代表的な商品名
2商品ともに、同一ステロイド成分を配合した商品が処方せん用医薬品としても使用されています。
「プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル」を配合した処方せん用医薬品として「リドメックス」、「プレドニゾロン」を配合した処方せん用医薬品として「プレドニゾロン」という商品が使用されています。
「コートfAT」:ミディアム、「コートfMD」:ウィーククラスのステロイド外用薬
「コートfAT」・「コートfMD」に配合されているステロイドの薬効(強さ)分類を確認します。
ステロイド外用薬の強さは5段階に分けられます。詳しくはこちらの記事にまとめています。
2商品に配合されているステロイドの強さは次の通りです。
●コートfAT:mediumクラス(下から2番目の強さ)
●コートfMD:weakクラス(最も弱い)
「コートfAT」と「コートfMD」にはステロイド薬以外の成分も配合されています。
ステロイド成分以外の有効成分
2商品ともに、ステロイド成分以外の有効成分も配合されています。その役割については、次の通りです。
●コートfAT
・かゆみをごまかすため(局所麻酔薬):リドカイン
・患部が化膿予防(殺菌剤):イソプロピルメチルフェノール
・血行促進作用:トコフェロール酢酸エステル
●コートfMD
・抗炎症薬:グリチルレチン酸
いつステロイド外用薬を使うか?
ステロイド外用薬は正しく使えば、非常に使い勝手に優れている薬です。
ステロイドの役割は”かゆみ・炎症”を鎮めるところにあります。
日常生活において、ステロイド外用薬が活躍する状況は“虫さされ・かぶれなどによる原因がある程度はっきりしている痒み・赤み”があるときが想定されます。
その他の状況としては、日焼け・軽いやけどを負った、整髪料や脱色剤にかぶれたとき(顔の場合、使用は短期間に)などにも使用できます。
小さなお子さんがいるご家庭においては、親御さん用に「フルコートf」、お子さん用に「コートfAT」・「コートfMD」を用意しておいてもいいでしょう。
コートfシリーズ選ぶポイント
「コートf」シリーズは「フルコートf」を販売しているメーカー(田辺三菱製薬)が販売しています。
メーカー側としてはそれぞれの商品を次のように、世代別に使い分けられるように販売しているようです。
●「フルコートf」→strongクラス:大人用(中学生以上)
●「コートfAT」→mediumクラス:大人・子供用(小学生程度)
●「コートfMD」→weakクラス:赤ちゃん用(2歳未満)
「フルコートf」に配合されている”フルオシノロンアセトニド”はstrongクラスのステロイド薬です。
大人の手足・体に使用する分には問題ない強さです。
●フルコートf
しかし、皮膚が薄くステロイド外用薬の吸収率が亢進している子供にとって、「フルコートf」は少し強いと考えられます。
そのため、子供用(小学生程度)にmediumクラスのステロイド薬を配合した「コートfAT」、赤ちゃん用(2歳未満)にweakクラスのステロイド薬を配合した「コートfMD」の使用が勧められます。
上述した内容は手足・体に塗る場合の使い方になります。
顔や陰部に塗る場合は、手足・体に塗るステロイド薬よりもワンランク・ツーランク弱いステロイド薬を使用する必要があります。
つまり顔・陰部にステロイド外用薬を使う場合、以下のような使い分けが必要になります。
●大人→mediumまたはweakクラス
●子供→weakまたは非ステロイド外用薬
●赤ちゃん→非ステロイド外用薬
大人の場合、「コートfAT」または「コートfMD」を顔・陰部に使うことも可能です。
1日2~3回は塗りましょう
塗布回数は用法・用量によると、1日1~数回と記載があります。
この記載では「いったい1日何回塗ったら良いんだ?」と疑問に思われるかもしれません。
通常、1日2回をめどに塗ると良いとされています。症状が改善されるまでは、1日2~3回は塗ったほうが良いとお考えください。
コートfまとめ
ここまで、コートfの特徴や選ぶポイントなどについて、紹介してきました。
コートfなどステロイド外用薬の役割は、”かゆみ・炎症”を鎮めるところにあります。
虫さされ・かぶれ・あせもといったかゆみ全般に使用できます。また、日焼けや軽いやけどなどにも使用できます。
このようにステロイド外用薬の使用方法は多岐にわたります。ステロイド外用薬を1種類だけでも自宅に置いていると、何かしら役立つ場合が起こるかもしれません。
「コートf」シリーズの詳細情報
最後に、「コートf」シリーズの有効成分、用法・用量などの詳細情報を紹介しておきます。
ミディアムクラスのステロイド外用薬「コートfAT」
ミディアム(medium)クラスのステロイド成分を配合している商品が「コートfAT」です。
<有効成分>
・プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(ステロイド)
・リドカイン(局所麻酔薬)
・イソプロピルメチルフェノール(殺菌剤)
・トコフェロール酢酸エステル(血行促進薬)
<効能・効果>
しっしん、皮膚炎、あせも、かぶれ、かゆみ、虫さされ、じんましん
<用法・用量>
1日1~数回、患部に塗布
ウィーククラスのステロイド外用薬「コートfMD」
ウィーク(weak)クラスのステロイド成分を配合している商品が「コートfMD」です。
<有効成分>
・プレドニゾロン(ステロイド)
・グリチルレチン酸(抗炎症薬)
<効能・効果>
しっしん、皮膚炎、あせも、かぶれ、かゆみ、虫さされ、じんましん、しもやけ
<用法・用量>
1日1~4回、患部に塗布