「HPクリーム・ローション」の特徴と選び方、他保湿剤との違いなどについて紹介します。
「HPクリーム・ローション」には刺激性がなく、赤ちゃんからお年寄りまで安心して使用できる市販の保湿剤です。
Contents
「ヒルドイド」と同じ市販薬
「HPクリーム・ローション」と言えば聞き慣れないかもしれませんが、「ヒルドイド」と言えばピンッとくる方もいらっしゃるかと思います。
その「ヒルドイド」に配合されている有効成分”ヘパリン類似物質”を配合した市販薬が「HPクリーム・ローション」です。
刺激性なし
保湿剤として使用される成分はおおよそ次の2種類です。
・ヘパリン類似物質←HPクリーム・ローション
・尿素
“ヘパリン類似物質”は今回紹介している「HPクリーム・ローション」に配合されている保湿成分です。
一方で、尿素も幅広く使用されている優れた保湿剤です。
尿素を配合している商品としては「パスタロン」や「ケラチナミン」などが挙げられます。
“ヘパリン類似物質”と”尿素”の大きな違いは“刺激性の有無”です。
“ヘパリン類似物質”には刺激性がありません(尿素にはある)
つまり、「HPクリーム・ローション」には刺激性がありません。
したがって、かき傷がある患部や乾燥によりひび割れた患部に塗っても、チリチリとした刺激を感じることはありません。
顔や子供にも使える
刺激性がないので、顔に塗っても問題ありません。
子供さんの乾燥肌に対しても安心して使用できます。
子供さんに対して”尿素”配合保湿剤を使用すると、肌の状態によっては、刺激感を感じて塗られることを嫌がる可能性もあります。
この点においても、”ヘパリン類似物質”配合保湿剤は非常に使いやすい市販薬と言えます。
子供の乾燥肌については、こちらの記事にまとめています。
余談ですが、「ヒルドイド」の美容目的での使用が一時期問題となりました。
刺激を感じることなく、顔にも塗ることができることなどが、「ヒルドイド」の美容目的での使用につながったのではないかと考えています。
「ヘパソフト 薬用 顔ローション」という”ヘパリン類似物質”(+α)配合の商品が販売されています。
この商品は医薬部外品(薬用化粧品)で、保湿化粧水代わりに使用することもできます。
クリーム剤かローション剤か?
商品として、クリーム剤とローション剤が販売されています。
ローション剤のほうがクリーム剤に比べて伸びがいいので、足全体に塗る場合など、広範囲に塗るようなときにはローション剤を選択するといいでしょう。
ローション剤の商品は、こちらから。
乾燥肌にならない注意点
そもそも、乾燥肌にならないために次のような生活習慣にも気を付けてみてください。
・熱いお風呂に入らない
・石けんでゴシゴシこすらない
乾燥肌は皮脂欠乏症とも言えます。
必要以上に皮脂を落とすと乾燥肌の原因となります。
日焼け後の保湿にも良し
日焼けを負ってしまうと、肌がダメージを受けてしまい、乾燥肌などの肌トラブルを引き起こすことがあります。
そのようなときにも、「HPクリーム・ローション」の使用を検討ください。
“ヘパリン類似物質”には、保湿作用以外に炎症を鎮める抗炎症作用もあります。
日焼けは紫外線によって肌が炎症を起こした状態です。
保湿作用プラス抗炎症作用がある「HPクリーム・ローション」は、日焼けによる乾燥肌を起こしたときは理想的な保湿剤だろうと考えます。
万が一、日焼けによって、ヒリヒリしたり真っ赤になってしまったりした場合には、炎症を鎮める効果がより高い薬を使用する必要があります。
保湿剤あれこれ
「HPクリーム・ローション」は、”ヘパリン類似物質”のみを配合した”ヘパリン類似物質”単一の商品です。
“ヘパリン類似物質”を配合した保湿剤は、市販薬としても数多く販売されています。
かゆみを伴う乾燥肌に最適な”ヘパリン類似物質+かゆみ止め”の商品、しつこい乾燥肌に最適な”ヘパリン類似物質+γ-オリザノール”の商品を紹介します。
“ヘパリン類似物質+かゆみ止め”商品
保湿薬”ヘパリン類似物質”にかゆみ止めを配合した商品が「フェルゼア ヘパキュアクリーム」です。
かゆみ止めが配合されているので、かゆみを伴う乾燥肌に最適な商品です。
“ヘパリン類似物質+γ-オリザノール”商品
“γ-オリザノール”には、皮脂分泌を促進する作用があると考えられています。
熱いお風呂に浸かりすぎたり、石けんなどで体をゴシゴシ擦りすぎたりすると、皮脂を過剰に落としてしまい乾燥肌となってしまいます。
同時に、年齢とともに皮脂分泌の機能は衰えていきます。
γ-オリザノールを配合している商品は、皮脂分泌が衰えているようなしつこい乾燥肌に最適な商品であると考えられます。
有効成分にγ-オリザノールを配合している商品に、「ヒシモア」や「Saiki(さいき)c治療クリーム」があります。
2商品は似たような商品なので、販売価格が安いほうを購入しても良いのでしょう。
「HPクリーム・ローション」まとめ
ここまで「HPクリーム・ローション」について紹介しました。
“ヘパリン類似物質”を配合している商品の特徴は、刺激性がないことです。
したがって、傷やキレツなど皮膚の状態を気にすることなく塗ることができます。
また、刺激性がないので、顔や子どもさんにも安心して使えます。
乾燥肌でお困りの方は、生活習慣を見直しつつ、保湿剤も使用して、改善を図ってみられてください。
ローション剤の商品は、こちらから。
「HPクリーム・ローション」基本情報
最後になりましたが、「HPクリーム・ローション」の有効成分や効能・効果などの基本情報を紹介しておきます。
「HPクリーム・ローション」は”ヘパリン類似物質”を配合した保湿剤です。
<有効成分>
ヘパリン類似物質
<効能・効果>
手指の荒れ、ひじ・ひざ・かかと・くるぶしの角化症、手足のひび・あかぎれ、乾皮症、小児の乾燥性皮ふ、しもやけ(ただれを除く)、きず・やけどのあとの皮ふのしこり・つっぱり(顔面を除く)、打身・ねんざ後のはれ・筋肉痛・関節痛
<用法・用量>
1日1~数回、患部に塗布