保湿剤として使われている成分としては、大きく以下2種類に分けられます。
●ヘパリン類似物質
●尿素
どちらも優れた保湿剤です。
“ヘパリン類似物質”という名称は覚えにくいので、同一成分を配合した有名な処方せん用医薬品に「ヒルドイド」という商品があります。
「ヒルドイド」と同じ有効成分を配合している市販薬をこちらにまとめました。
ここでは便宜的に、”ヘパリン類似物質配合保湿剤”のことを「ヒルドイド系(保湿剤)」と表現させてもらいます。
Contents
ヒルドイド系と尿素の商品とその違い
まずはヒルドイド系保湿剤、尿素配合保湿剤の商品を紹介します。
ヒルドイド系保湿剤
ヒルドイド系の保湿剤、つまり有効成分として”ヘパリン類似物質”を配合している商品です。
●HPクリーム・ローション
「HPクリーム・ローション」は、有効成分に保湿薬”ヘパリン類似物質”のみを配合した商品です。
●フェルゼア ヘパキュアクリーム
「フェルゼア ヘパキュアクリーム」には、”ヘパリン類似物質”に加えて”かゆみ止め”が配合されています。
そのため、”かゆみを伴う乾燥肌”への使用が最適となります。
また、”ヘパリン類似物質”には保湿作用の他に、炎症を鎮める作用(抗炎症作用)もあります。
冬の乾燥肌以外にも、日焼け(紫外線による肌の炎症)を負ったときなど、肌がダメージを受けて乾燥肌のような肌トラブルを引き起こすこともあります。
そのようなときは、保湿作用プラス抗炎症作用があるヒルドイド系保湿剤の使用が最適となるでしょう。
尿素配合保湿剤
当ブログでは、尿素配合保湿剤として以下3商品を紹介しました。
●パスタロン
●ケラチナミンコーワ
●ウレパールプラス
「ウレパールプラス」には、保湿薬”尿素”の他に”かゆみ止め”も配合されています。
違いは”刺激性”
ヒルドイド系保湿剤と尿素配合保湿剤の、大きな違いは”刺激性”です。
●ヒルドイド系→刺激性なし
●尿素→刺激性あり
尿素には刺激性があります。
乾燥肌などでかゆみがあって、患部にひっかき傷があったりすると、チリチリとした刺激感を感じることがあります。
となると、
と考えがちです。
次に、ヒルドイド系・尿素配合保湿剤のメリット・デメリットを紹介します。
ヒルドイド系保湿剤のメリット・デメリット
ヒルドイド系保湿剤のメリット・デメリットを紹介します。
ヒルドイド系保湿剤のメリット
ヒルドイド系保湿剤の最大のメリットは、刺激性がないことでしょう。
“刺激性がない”がないので非常に使い勝手に優れています。
顔にも塗ることができますし、子供さんも嫌がることなく塗らせてくれることでしょう。
ヒルドイド系保湿剤のデメリット
特別ないように思います。
どのような薬にも当てはまりますが、肌に合わないことはあるかもしれません。
尿素配合保湿剤のメリット・デメリット
尿素配合保湿剤のメリット・デメリットを紹介します。
尿素配合保湿剤のメリット
尿素の特に良いところは2点あります。
・角質を柔らかくしてくれる
・ヒルドイド系より安い(安いけれど、保湿作用はしっかり)
冬場になると、ひじ・ひざ・かかと・くるぶしがガサついて割れたり、手指が割れたりすることがあると思います。
尿素はガサつく原因の角質を柔らかくしてくれるので、このような症状を改善してくれます。
また、尿素はヒルドイド系保湿剤よりも安価です。
尿素配合保湿剤は安いですが、保湿作用はしっかりしています。尿素配合保湿剤は、手が届きやすい保湿剤と言うことができます。
尿素配合保湿剤のデメリット
尿素配合保湿剤のデメリットはやはり”刺激性”です。
乾燥肌によるかゆみがあり、ひっかき傷などがある部位に尿素配合保湿剤を塗ると、チリチリしたような刺激を感じます。
刺激性があるので、顔(特に目の周り)に塗ることも控えた方がいいでしょう。
また、小さいお子さんには使いにくい場合があるかと考えています。
刺激性があるので、そのチリチリした感覚を子供さんが嫌がる可能性があります。
ただし、そのチリチリした刺激感は数分もすれば感じなくなります。
そのため、刺激性の問題をクリアできれば、尿素配合保湿剤は十分に使用価値が高い薬だと考えます。
ヒルドイド系or尿素配合保湿剤?まとめ
ここまで、ヒルドイド系or尿素配合保湿剤どちらを選べばよいか紹介してきました。
両者の大きな違いは”刺激性の有無”です。
ヒルドイド系保湿剤には刺激性がありません。刺激性がないので、顔や小さな子供にも使いやすいという面で大きなメリットがあります。
一方で、尿素には角質を柔らかくする作用があり、ヒルドイド系よりも安価であるというメリットもあります。
刺激性があることをクリアできれば、尿素配合保湿剤は十分に使用価値がある保湿剤と言うことができます。