「ロキソニンS」シリーズの違いや選び方・選ぶポイントなどについて紹介します。
商品名もほぼ同じで、言わずもがなかもしれませんが、処方せん用医薬品(処方薬)「ロキソニン」と同じ有効成分を配合している市販薬となります。
こちらは処方薬「ロキソニン」です。
市販薬「ロキソニンS」には以下3種類の商品が販売されています。
●ロキソニンS
●ロキソニンSプラス
●ロキソニンSプレミアム
3商品ともに、服用対象年齢は15歳以上となります。
Contents
「ロキソニンS」シリーズの違い~成分比較~
「ロキソニンS」シリーズの違いを把握するため、配合されている有効成分を比較します。
ロキソニンS | ロキソニンSプラス | ロキソニンSプレミアム | |
ロキソプロフェン (解熱鎮痛薬) |
60mg | 60mg | 60mg |
酸化Mg *メタケイ酸アルミン酸Mg (制酸剤) |
ー | 33.3mg | *100mg |
アリルイソプロピル アセチル尿素 (鎮痛補助薬) |
ー | ー | 60mg |
無水カフェイン (鎮痛補助薬) |
ー | ー | 50mg |
有効成分を比較すると次のことが分かります。
●ロキソニンS
→解熱鎮痛薬成分(ロキソプロフェン)のみ配合
●ロキソニンSプラス
→「ロキソニンS」+制酸剤
●ロキソニンSプレミアム
→「ロキソニンS」+制酸剤+鎮痛補助薬
続いて、各商品の特徴を紹介します。
スタンダードな痛み止め「ロキソニンS」
痛み止め成分(解熱鎮痛薬)である”ロキソプロフェン”のみが配合された商品です。
配合されている成分量は、処方せん用医薬品として使用されている「ロキソニン」の量と全く同じです。
つまり、処方せん用医薬品と同じ効果が臨めます。
基本的には、「ロキソニンS」の服用が第一選択となるかと考えています。
制酸剤プラス「ロキソニンSプラス」
「ロキソニンSプラス」には、制酸剤である”酸化マグネシウム”が「ロキソニンS」に追加で配合されています。
しかし、その成分量は一般的に制酸剤として使う量よりも随分と少量です。はっきり言って、この成分量で制酸作用を発揮するのか疑問です。
また、”痛み止め”服用の目的は「痛みを抑えること」です。一方で、解熱鎮痛薬”ロキソプロフェン”の配合量は「ロキソニンS」と同量です。
つまり、痛みを抑える作用は「ロキソニンS」と変わらないと考えられます。
「ロキソニンSプラス」は、痛み止めによる胃痛などの副作用が気になる方が、服用を検討ください。
痛み止めをさらにプラス「ロキソニンSプレミアム」
「ロキソニンSプレミアム」には、2種類の鎮痛補助薬と制酸剤が「ロキソニンS」に追加で配合されています。
鎮痛補助薬が2種類配合されていることを踏まえると、「ロキソニンS」よりも鎮痛効果は高いと考えられます。
一方で、”ロキソプロフェン”のみ配合の「ロキソニンS」であっても、その鎮痛効果は確かです。
まずは、スタンダードな「ロキソニンS」の効果のほどを確認することが優先されるでしょう。
「ロキソニンS」を服用しても、効果が今一つ感じられなかった方は「ロキソニンSプレミアム」の服用を検討ください。
また、他の2商品と少し用量が異なります。
他2商品は1回1錠の服用ですが、「ロキソニンSプレミアム」は1回2錠の服用となります。
「ロキソニンS」シリーズの強さと選び方
ここまで、「ロキソニンS」シリーズの成分比較を踏まえて各商品の違いについて紹介しました。
結局、どの商品を選べば良いか?
となろうかと思います。
「ロキソニンS」シリーズは痛み止めです。
つまり、基本的には痛みを鎮めてくれさえすれば、どの商品でもいいわけです。
「ロキソニンS」3商品の痛みを抑える効果(作用)の大小を、ざっくり評価すると次のようになると考えられます。
※「ロキソニンS」の鎮痛効果の大小
①ロキソニンSプレミアム
②ロキソニンS、ロキソニンSプラス
最も鎮痛効果が高い商品は鎮痛補助薬も配合されている「ロキソニンSプレミアム」だろうと考えられます。
「ロキソニンS」と「ロキソニンSプラス」の違いは、制酸剤の有無だけなので、鎮痛効果に違いはないでしょう。
鎮痛効果が最も高い商品は「ロキソニンSプレミアム」でしょうが、まずは「ロキソニンS」の服用を検討ください。
「ロキソニンS」の効果が今一つだった場合に限り、「ロキソニンSプレミアム」の服用を検討されてください。
「ロキソニンSプラス」は、痛み止め服用による胃痛などの副作用が気になる方が、服用を検討ください。
効能・効果はどの商品も同じ
効能・効果は3種類どの商品も同じです。
です。
痛み全般に効果があるのが「ロキソニンS」です。
服用上の注意点
以下に該当するような方は、服用に際して注意が必要となります。
・妊娠さん
・胃・十二指腸潰瘍既往歴がある方
・腎臓が悪い方
・15歳未満の服用NG
妊娠後期の妊娠さんの服用には注意が必要です。
胎児の動脈管閉鎖症が問題となる場合があります。
また、”ロキソプロフェン”は胃にダメージを与えます。
そのため、胃・十二指腸潰瘍の既往歴がある方(現病歴である方も含みます)の服用は注意が必要です。
しかしながら、”ロキソプロフェン”は胃へのダメージが比較的小さい薬だともいわれています。
とは言え、そのリスクを知っておくことは大事です。
また、妊娠さんであれば、定期検診にかかるでしょうし、胃・十二指腸潰瘍歴がある方は食後服用を徹底することでリスクを抑えることは可能です。
そして、痛み止めは漫然と服用する薬ではありません。
つまり、服用は短期間になるはずですので、仮に服用してしまった場合も、大怪我につながる可能性は低いと考えます。
問題は”腎臓が悪い方”が服用した場合です。
腎臓の悪い方が、”ロキソプロフェン”のようなNSAIDsを服用すると急速に腎機能が悪化することがあります。
腎臓が悪い方の服用には、細心の注意が必要となります。注意というよりも、服用しないでください。
薬物乱用頭痛に注意
「ロキソニンS」だけでなく痛み止め全般の注意点ですが、鎮痛薬の連用による「薬物乱用頭痛」の問題が指摘されています。
「ロキソニンS」を服用しても頭痛が治まらないことが続いてきたら、鎮痛薬の服用を中止し、医療機関を受診することが重要です。
「ロキソニンS」シリーズまとめ
各商品を選ぶポイントは以下の通りだと考えます。
・基本→ロキソニンS
・胃痛の副作用が気になる→ロキソニンSプラス
・「ロキソニンS」の効果がいまいちだった→ロキソニンSプレミアム
基本的には、”ロキソプロフェン”のみ配合したシンプルな商品である「ロキソニンS」で十分だと考えます。
「ロキソニンS」で痛みが治まらない場合には、「ロキソニンSプレミアム」を選ぶと良いでしょう。
「ロキソニンS」は痛み止めの部類においては、比較的胃へのダメージが少ない商品です。
使用上の注意点を頭の片隅に置いて、正しく使用してください。
もしも、「ロキソニンS」のみで、痛みが治まらない場合に併用するなら「タイレノールA」でしょう。
「タイレノールA」であれば、「ロキソニンS」との併用も比較的安全だろうと考えます。
ただし、併用は極力控えたほうが望ましいです。
<ロキソニンS>
<ロキソニンSプラス>
<ロキソニンSプレミアム>
「ロキソニンS」シリーズ基本情報
最後になりましたが、「ロキソニンS」シリーズ計3種類の有効成分や効能・効果などの基本情報を紹介しておきます。
ロキソニンS
痛み止め成分”ロキソプロフェン”のみが配合された、最もスタンダードな商品です。
<有効成分(1錠中)>
ロキソプロフェン:60mg(解熱鎮痛薬)
<効能・効果>
〇頭痛・月経痛(生理痛)・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・腰痛・関節痛・神経痛・筋肉痛・肩こり痛・耳痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛
〇悪寒・発熱時の解熱
<用法・用量>
15歳以上:1回1錠、1日3回まで服用間隔を4時間以上空ける
<主な使用上の注意>
アスピリン喘息、胃・十二指腸潰瘍、腎障害がある方、妊娠中期以降の方は服用NG
ロキソニンSプラス
「ロキソニンS」に制酸剤である”酸化マグネシウム”が配合された「ロキソニンSプラス」です。
痛み止めによる胃痛などが気になる方が服用するといいかと考えます。
<有効成分(1錠中)>
・ロキソプロフェン:60mg(解熱鎮痛薬)
・酸化マグネシウム:33.3mg(制酸剤)
<効能・効果>
「ロキソニンS」に同じ
<用法・用量>
15歳以上:1回1錠、1日3回まで服用間隔を4時間以上空ける
<主な使用上の注意>
アスピリン喘息、胃・十二指腸潰瘍、腎障害がある方、妊娠中期以降の方は服用NG
ロキソニンSプレミアム
「ロキソニンS」にさらに鎮痛薬成分が配合された「ロキソニンSプレミアム」です。
「ロキソニンS」では、鎮痛効果が今一つの場合に服用するといいでしょう。
<有効成分(2錠中)>
・ロキソプロフェン:60mg(解熱鎮痛薬)
・アリルイソプロピルアセチル尿素:60mg(鎮痛補助薬)
・無水カフェイン:50mg(鎮痛補助薬)
・メタケイ酸アルミン酸マグネシウム:100mg(制酸剤)
<効能・効果>
「ロキソニンS」に同じ
<用法・用量>
15歳以上:1回2錠、1日3回まで 服用間隔を4時間以上空ける
<主な使用上の注意>
アスピリン喘息、胃・十二指腸潰瘍、腎障害がある方、妊娠中期以降の方は服用NG