処方せん用医薬品(処方薬)の代表的な解熱鎮痛薬に「ロキソニン」という商品があります。
こちらが処方薬「ロキソニン」です。
頭痛・歯痛・関節痛のときなどにお世話になった方もいらっしゃるでしょう。
そして、市販薬としても同じような商品名で「ロキソニンS」という商品が販売されています。
当記事では、処方薬「ロキソニン」と市販薬「ロキソニンS」の違いを比較します。
比較項目として、次の項目について比較します。
①有効成分
②効能・効果
③用法・用量
①有効成分を比較
有効成分 | 成分量 | |
ロキソニン (処方薬) |
ロキソプロフェン | 60mg |
ロキソニンS (市販薬) |
ロキソプロフェン | 60mg |
処方薬・市販薬ともに”ロキソプロフェン”という全く同じ有効成分が同量配合されています。
この点において、処方薬・市販薬ともに同じ薬で、同じ効果が期待できる商品と言えます。
②効能・効果を比較
続いて、添付文書に記載されている効能・効果を比較します。
処方薬「ロキソニン」の効能・効果には、次のように記載されています。
1.下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛
関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、歯痛
2.手術後、外傷後並びに抜歯後の鎮痛・消炎
3. 下記疾患の解熱・鎮痛
急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)
※処方薬「ロキソニン」の添付文書より引用
ごちゃごちゃと書いてありますが、「ロキソニン」は解熱鎮痛薬なので、
熱を下げる、痛み・炎症を和らげる作用がある
ということです。
市販薬「ロキソニンS」の効能・効果も確認します。
○頭痛・月経痛(生理痛)・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・腰痛・関節痛・神経痛・筋肉痛・肩こり痛・耳痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛
○悪寒・発熱時の解熱
※市販薬「ロキソニンS」の添付文書より引用
文言は処方薬と市販薬で異なりますが、有効成分は同じなので、効能・効果も同じと考えていいでしょう。
③用法・用量を比較
1回量 | 1日量 | 頓用 | 服用間隔 | |
ロキソニン (処方薬) |
1回1錠 |
1日3回 (3の適用症については、原則1日2回までの服用) |
1回2錠服用も可 (1・2の適応症の場合) |
– |
ロキソニンS (市販薬) |
1回1錠 |
1日2回 (1日3回まで服用も可) |
– | 4時間以上 |
※添付文書に特段の記載がない項目については「-」と記載
用法・用量には、多少の違いがあるようです。
1回量は処方薬・市販薬ともに”1回1錠”と同じです。
1日量に多少の違いがあります。
処方薬「ロキソニン」の場合、適応症にもよりますが、概ね1日3回の服用が認められています。
しかし、市販薬「ロキソニンS」については、1日2回の服用が基本となります。
やむを得ない場合、3回目の服用が認められます。
そして、「ロキソニン」の有効成分”ロキソプロフェン”は、胃へ負担をかけます。
そのため、処方薬・市販薬ともに
空腹時の服用は避けることが望ましい
という文言の記載があります。
市販薬「ロキソニンS」シリーズを比較
市販薬「ロキソニンS」には、「ロキソニンS」という商品のほかに、以下2種類計3種類の商品が販売されています。
・ロキソニンSプラス
・ロキソニンSプレミアム
「ロキソニンS・Sプラス・Sプレミアム」には、それぞれ異なる有効成分が配合されています。
「ロキソニンS」シリーズの有効成分の違い、それを踏まえた選び方などについては、こちらの記事にまとめています。
処方薬・市販薬ともに同じ効果が期待できる
ここまで、処方薬「ロキソニン」と市販薬「ロキソニンS」に違いがあるのか、有効成分、効能・効果、用法・用量について比較してみました。
市販薬であっても、処方薬と同じ有効成分が同じ量配合されているので、ともに”同じ薬”と考えることができます。
市販薬「ロキソニンS」シリーズには、”ロキソプロフェン”のみを配合した「ロキソニンS」のほかに2商品販売されています。
市販の「ロキソニンS」を選ぶときは、3商品の違いや特徴を正しく把握してお選びください。