寒くなると、食器洗いのとき、お湯を使ったり、熱めのお風呂に入ったりすることで、乾燥肌に伴う手荒れ(赤切れ)・肌荒れに悩むこともあるかと思います。
そのような「手荒れ・肌荒れ・乾燥肌」に比較的安いわりに良く効く市販の保湿剤・ハンドクリームを紹介します。
Contents
保湿剤有効成分:尿素 or ヘパリン類似物質
市販の保湿剤・ハンドクリームに配合されている保湿薬は主に次の2種類です。
<主な保湿薬>
・尿素←安価
・ヘパリン類似物質
どちらの保湿薬を選んでも、乾燥肌に対して、同じような効果を発揮してくれます。
そのような中で、比較的安くで手に入る保湿剤は、尿素配合の保湿剤です。
具体的に、現在市販されている次の保湿剤のメーカー希望小売価格を比較します。
<尿素配合保湿剤>
・パスタロンクリーム
・ケラチナミンコーワクリーム
<ヘパリン類似物質配合保湿剤>
・HPクリーム
尿素を配合している市販の保湿剤として「パスタロンクリーム」・「ケラチナミンコーワクリーム」、ヘパリン類似物質を配合している市販の保湿剤として「HPクリーム」を紹介します。
尿素配合保湿剤「パスタロン」の価格を比較
尿素(保湿薬)のみが10%配合されている「パスタロンクリーム-L」のメーカー希望小売価格は次の通りです。
容量 | メーカー希望小売価格 | 1gあたりの価格 |
60g | 800円 | 13.3円 |
120g | 1,500円 | 12.5円 |
容量としては、60g・120gの2商品が販売されていて、120gボトルの商品のほうが安くで手に入ります。
お試しの方は、まずは60gボトルの「パスタロンクリーム-L」を使用してみるといいでしょう。
上述の「パスタロンクリーム-L」の2倍量(20%)の尿素が配合されている商品が「パスタロンM20%」のメーカー希望小売価格は次の通りです。
容量 | メーカー希望小売価格 | 1gあたりの価格 |
30g | 800円 | 26.7円 |
60g | 1,380円 | 23円 |
100g | 2,000円 | 20円 |
「パスタロンM20%」には、尿素の他にも、有効成分として抗炎症薬や血流改善薬が配合されています。
そのため、シンプルな尿素配合保湿剤である「パスタロンクリーム-L」よりも割高に価格設定されています。
しもやけや手荒れ・赤切れに悩んでいる方には、「パスタロンM20%」のほうが最適でしょう。
尿素配合保湿剤「ケラチナミン」の価格を比較
商品名からも分かる通り、尿素が20%配合されている市販の保湿剤が「ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリーム」です。
上述した「パスタロンM20%」には尿素+αの有効成分が配合されていましたが、「ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリーム」は尿素のみを配合したシンプルな尿素配合保湿剤となります。
尿素のみが20%配合されている「ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリーム」のメーカー希望小売価格は次の通りです。
容量 | メーカー希望小売価格 | 1gあたりの価格 |
30g | オープン価格 | – |
60g | 1,500円 | 25円 |
150g | 2,000円 | 13.3円 |
150gボトルの商品は、同じく尿素20%配合の「パスタロンM20%」よりも低価格で設定されています。
尿素配合保湿剤を使い慣れている方は、150gのボトル商品を購入してもいいのでしょう。
ヘパリン類似物質配合保湿剤「HPクリーム」の価格を比較
ここまで、保湿薬として尿素を配合している「パスタロンクリーム」や「ケラチナミンコーワクリーム」を紹介しました。
比較対象として、保湿薬として”ヘパリン類似物質”を配合している保湿剤「HPクリーム」のメーカー希望小売価格も紹介します。
容量 | メーカー希望小売価格 | 1gあたりの価格 |
25g | 1,219円 | 48.8円 |
60g | 2,267円 | 37.8円 |
ヘパリン類似物質配合の保湿剤は、尿素配合の保湿剤と比べると1gあたり1.5倍~2倍ほどの価格設定となっているようです。
尿素に比べて割高ではありますが、子供さんの乾燥肌であったり、かゆみを伴う乾燥肌で、ひっかき傷があったりする場合などでは、ヘパリン類似物質配合の保湿剤のほうが最適かと考えています。
理由については、次の段落にて紹介します。
ちなみに、ヘパリン類似物質配合の保湿剤は処方せん用医薬品(処方薬)としても使用されています。
ヘパリン類似物質配合の処方薬として有名な商品が「ヒルドイド」です。
こちらが処方薬「ヒルドイド(ソフト軟膏)」
つまり、「HPクリーム」は処方薬「ヒルドイド」と同じ有効成分を配合した市販薬となります。
尿素とヘパリン類似物質の違い:刺激性
・子供さんの乾燥肌
・かゆみを伴う乾燥肌で、ひっかき傷があったりする場合
などでは、ヘパリン類似物質配合の保湿剤のほうが最適と上述しました。
尿素には刺激性があるからです。
ひっかき傷があるような箇所に尿素配合保湿剤を塗ると、一時的ではありますが、チリチリとした刺激感を感じます。
「パスタロンクリーム」や「ケラチナミンコーワクリーム」の添付文書にも次のように記載があります。
次の部位には使用しないでください
(1)目のまわり、粘膜等。
(2)引っかき傷等のきずぐち、亀裂(ひび割れ)部位。
(3)かさぶたの様に皮膚がはがれているところ。
(4)炎症部位(ただれ・赤くはれているところ)。
※「ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリーム」添付文書より引用
(1)~(4)の注意事項のどれをとっても、尿素の刺激性を問題としている記載内容と受け取れます。
「パスタロンクリーム」の添付文書にも同様の記載があります。
「HPクリーム」の添付文書にも(1)の注意事項の記載はありますが、(2)~(4)の注意事項の記載はありません。
添付文書の内容からも、ヘパリン類似物質配合の保湿剤「HPクリーム」には刺激性がなく、尿素配合の保湿剤「パスタロンクリーム」や「ケラチナミンコーワクリーム」には刺激性があることを推測することもできます。
安いわりに良く効く市販の保湿剤・ハンドクリーム
安いわりに良く効く保湿剤・ハンドクリームは、「パスタロンクリーム」や「ケラチナミンコーワクリーム」などの尿素配合保湿剤です。
乾燥肌に伴う手荒れ・肌荒れに対しては、尿素配合保湿剤の使用を検討ください。
一方で、保湿薬である尿素には刺激性があります。
そのため、子供さんの乾燥肌であったり、かゆみを伴う乾燥肌で、ひっかき傷がある場合などでは、チリチリとした刺激感を感じます。
このような場合においては、割高ではありますが、刺激性がない「HPクリーム」のようなヘパリン類似物質配合の保湿剤の使用を検討ください。
どちらも優れた保湿作用をもつ保湿薬です。
重要なことは、使い方・使う肌の状態となります。
傷がある場合は、ヘパリン類似物質配合保湿剤(HPクリーム)がいいでしょう。
傷がない場合は、比較的割安で済む尿素配合保湿剤(パスタロンクリーム・ケラチナミンコーワクリーム)で十分かもしれません。
最後になりますが、「パスタロンクリーム」・「ケラチナミンコーワクリーム」・「HPクリーム」には、当記事で紹介した商品の他にも、商品ラインナップがあります。
各商品毎の特徴や選び方などについては、以下の記事にまとめています。
<パスタロンクリーム>
<ケラチナミンコーワクリーム>
<HPクリーム>