薬を手に入れる方法としては、基本的に「市販薬を購入する」または「病院を受診して処方を受ける」の2つに1つでしょう。
市販薬を購入したほうが安いのか、病院を受診して処方を受けたほうが安いのか、金銭面でどちらのメリットが高いのか考えてみます。
しかしながら、「どのような症状で、どのくらいの期間、薬を必要としているか」によっても、薬を手に入れる費用は異なるでしょう。
ここでは、比較可能で、短期的な服用期間で済む、一般的なかぜの場合を考えてみたいと思います。
Contents
市販薬と処方薬のメリット・デメリット
市販薬を購入する、病院を受診して処方を受ける、それぞれのメリット・デメリットについて考えてみます。
メリット | デメリット | |
市販薬 | 簡単に手に取れる | 自己判断による購入 |
処方薬 |
症状に合った処方薬を受け取れる |
病院に行く(待つ)必要あり |
市販薬は、薬局やドラッグストアに自ら行くことで、簡単に手に入ります。
緊急性が低い場合には、ネットで事前に揃えることも可能です。
一方で、薬を選ぶにあたって、数ある商品の中から、ある程度自己判断で薬を選ぶ必要もあります。
かたや処方薬は、病院を受診することで、医師が症状に合わせた医療用医薬品(処方せん用医薬品)を処方してくれます。
自己判断で薬を選ぶ必要がある市販薬と対照的ですが、具合が悪い中、病院を受診し、そこで待たされ、診察を受ける必要もあります。
さらに、薬局で待たされる場合もあるでしょう。
市販薬・処方薬ともに、一長一短あることになります。
市販薬のほうが安い
先に述べましたが、「どのような症状で、どのくらいの期間、薬を必要としているか」によっても、薬を手に入れる費用は異なるでしょう。
ここでは、一般的なかぜの場合を考えてみます。
市販のかぜ薬の場合、選ぶ商品や包装単位にもよりますが、1つ1,000~1,500円前後でしょう。
例として、以下の商品は、市販のかぜ薬としてメジャーブランドである「パブロン」の中の1つの商品です。
販売価格を確認されてみてください。
処方薬を受け取る場合、薬を受け取るまでの間に医師をはじめとする、専門家の手を通ることになります。
専門家の手を通るわけですから、自己判断で選ぶ市販薬よりも高くなることは想像がつきます。
しかしながら、日本は国民皆保険で、70歳未満の方の自己負担額は3割です。
3割負担であったとしても、病院・薬局2カ所で診察代・薬代を支払うことになれば、市販のかぜ薬を購入したほうが安上がりになることが多くなるでしょう。
病院に行く時間が必要
処方を受けるためには、病院を受診する必要もあります。
そこで、いくらか「時間」を消費することになります。
市販薬を購入するにあたっては、自ら薬局・ドラッグストアに出向けばいいわけです。
つまり、市販薬の購入については、処方薬を受け取るよりも安くで済む上、時間も短時間で済みます。
また、市販のかぜ薬であっても、選ぶ商品によっては、処方薬(処方されるであろう薬)と同じ有効成分を配合している商品を選ぶことができます。
つまり、体調が悪い中、病院に行くまでもなく、処方薬と同じ効果が期待できる商品を市販薬として手に取ることができるわけです。
その一例として、次の記事にまとめています。
上記の記事をご覧いただければ、市販薬も選び方次第で、処方薬と同じような効果が期待できる商品が販売されていることがお分かりいただけるかと思います。
場合によっては病院へ
ここまで、かぜの場合を前提に、病院で処方を受けるより、市販薬を購入したほうが、金銭的にも時間的にもメリットが大きいと紹介してきました。
とは言え、場合によっては病院を受診したほうがいいこともあるでしょう。
例として、次のような場合が考えられます。
・市販薬を使用しても、なかなか治らない
・基礎疾患がある(病気持ちである)
各項目について、詳しく考えてみます。
市販薬を使用しても、なかなか治らない
「市販薬を服用しても、なかなか治らない」場合、薬が症状に合っていないことが考えられます。
つまり、かぜだと思っていても、実は違う病気だったりするかもしれません。
通常、かぜであれば、熱は数日、その他の”咳・たん・鼻みず”などの症状も1週間程度で軽快するでしょう。
かぜだけでなく、自分が疑った病気に対して市販薬を使用しても、症状の改善がなかなか見られない場合には、病院を受診することが望ましいでしょう。
基礎疾患がある(病気持ちである)
比較的健康な方の場合、市販薬を使用しながら、症状のコントロール・改善を試みることができます。
しかしながら、基礎疾患がある方の場合、自己判断による市販薬の使用で、その使用期間中に、基礎疾患が悪化することも考えられます。
また、基礎疾患がある場合、何かしらの薬をすでに服用していることも考えられます。
このとき、「薬同士の飲み合わせ」という問題も発生します。
基礎疾患がある場合も、病院の受診を優先したほうが望ましいでしょう。
結局、損得は二の次
ここまで、かぜの場合を中心にして、「市販薬を購入」したほうが安いのか、「病院を受診して処方を受ける」ほうが安いのか考えてみました。
金銭面を考えると、医師をはじめとする専門家の手を通らない市販薬の購入のほうが、健康保険が適用されないことを考えても安上がりでしょう。
同時に、薬を手に取るまでの「時間」を考えても、市販薬を購入したほうが短時間で済みます。
しかしながら、「市販薬を使用しても、なかなか治らない」または「基礎疾患がある」場合など、病院の受診を優先したほうがいい状況も考えられます。
そして何より、「健康」は「お金」に代えられないわけです。
「市販薬の購入」・「病院の受診」、どちらも一長一短です。
結局のところ、損得勘定は二の次・三の次で、自分の「健康」にとって何がベストかを考えることが大事です。