「エスタックイブ」シリーズの違いと選び方・選ぶポイントなどについて紹介します。
「エスタックイブ」シリーズには以下7種類の商品が販売されています。
●エスタックイブ
●新エスタックイブエース
●エスタックイブファイン
●エスタックイブファインEX
●エスタックイブFT
●エスタックイブTT
●エスタックイブNT
いささか種類が多すぎます。
各商品の違いや特徴などを挙げて、選ぶポイントを簡潔に紹介します。
また、「エスタックイブ」シリーズの服用対象年齢は、全商品共通して15歳からとなります。
Contents
「エスタックイブ」シリーズの違い~有効成分比較~
「エスタックイブ」シリーズの違いを確認するために、配合されている有効成分を比較してみます。
エスタックイブ | 新エスタックイブエース | エスタックイブファイン | エスタックイブファインEX | エスタックイブFT | エスタックイブTT | エスタックイブNT | ||
3錠中 | 3錠中 | 3錠中 | 2錠中 | 2錠中 | 2錠中 | 3錠中 | ||
解熱鎮痛薬 (熱さまし・痛み止め) |
イブプロフェン | 150mg | 150mg | 150mg | 150mg | 150mg | 150mg | 150mg |
せき | ジヒドロコデイン | 8mg | 8mg | 8mg | 8mg | 8mg | 8mg | 8mg |
dl-メチルエフェドリン | 20mg | 20mg | 20mg | 20mg | 20mg | 20mg | 20mg | |
たん | アンブロキソール | ー | ー | 15mg | 15mg | ー | ー | ー |
のどの炎症 | グリチルリチン酸 | ー | ー | ー | ー | ー | 13mg | ー |
くしゃみ・鼻みず・鼻づまり | クロルフェニラミン | 2.5mg | 2.5mg | 2.5mg | 2.5mg | 2.5mg | 2.5mg | 2.5mg |
ヨウ化イソプロパミド | ー | 2mg | 2mg | 2mg | ー | ー | 2mg | |
制酸剤 | 酸化マグネシウム | ー | ー | ー | 100mg | ー | 100mg | ー |
生薬成分 | ケイヒ末 | ー | ー | ー | ー | 133mg | ー | ー |
ショウキョウ末 | ー | ー | ー | ー | 66.7mg | ー | ー | |
鎮痛補助薬 | 無水カフェイン | 25mg | 25mg | 25mg | 25mg | 25mg | 25mg | 25mg |
ビタミン剤 | ビタミンB1 | 8mg | 8mg | 8mg | ー | ー | ー | 8mg |
ビタミンC | 100mg | 100mg | 100mg | ー | ー | ー | 100mg |
どの商品であっても、代表的なかぜの諸症状、熱や痛み(頭痛・関節痛)・のど(せき・たん)・鼻(くしゃみ・鼻みず・鼻づまり)、に対して効く成分は配合されています。
しかし、有効成分がそれぞれの商品で少しずつ異なっており、特に有効となるかぜの症状が商品ごとに異なりことになります。
一方で、「エスタックイブ」シリーズには7種類もの商品が販売されており、その違いをいちいち把握することも面倒です。
ここからは、配合されている有効成分上、かぜの諸症状にまんべんなく効くであろう商品をベースに各商品の違いや特徴を紹介します。
「エスタックイブ」シリーズを選ぶ基準、ベースとする商品に
エスタックイブファイン
を挙げて、各商品の特徴や選ぶポイントなどについて紹介します。
エスタックイブファイン
まずはじめに、ベースとする商品「エスタックイブファイン」について紹介します。
上述した成分比較表をご覧いただいても分かる通り、「エスタックイブファイン」には、熱・のど(せき・たん)・はなに有効な成分がまんべんなく配合されています。
その他の商品については、一部の症状に対して、物足りない・余分な有効成分まで配合されているものもあります。
それを踏まえると、「エスタックイブ」シリーズで迷った場合、一般的なかぜの諸症状にまんべんなく対応できる「エスタックイブファイン」を中心に選ぶと良いかと考えます。
粉(顆粒)の商品も販売されています。
エスタックイブ
ベースとする「エスタックイブファイン」と比較すると、「エスタックイブ」には、去痰薬(たん切り)が配合されていません(鼻炎薬も1種類少ない)
そのため、たんが絡むようなかぜ症状に対する効果は小さいと考えられます。
しかし、逆に言えば、たんが絡む症状がなければ、十分に服用価値がある商品とも言えます。
“たん”の症状がない場合には、シンプルなかぜ薬「エスタックイブ」の服用も検討ください。
粉(顆粒)の商品も販売されています。
新エスタックイブエース
「新エスタックイブエース」も「エスタックイブ」と同様、「エスタックイブファイン」と比べると、去痰薬が配合されていません。
「エスタックイブ」との違いは、鼻みず止めである”ヨウ化イソプロパミド”の有無です。
「新エスタックイブエース」には、”ヨウ化イソプロパミド”が配合されているため、かぜに伴う鼻症状の改善には一役買ってくれると考えられます。
しかしながら、”クロルフェニラミン”という抗ヒスタミン薬(=鼻症状改善)のみで十分はな症状は改善されるかもしれません。
とは言え、かぜに伴う鼻症状が特に強い場合には、「新エスタックイブエース」を服用する価値はあるでしょう。
粉(顆粒)の商品も販売されています。
エスタックイブファインEX
ベースとしている「エスタックイブファイン」に、制酸剤”酸化マグネシウム”を配合した商品が「エスタックイブファインEX」です。
制酸剤は、解熱鎮痛薬”イブプロフェン”の胃腸障害リスクを考慮しての配合です。
つまり、かぜ症状の緩和のために配合されているのではありません。
そのため、かぜ症状を緩和する程度は「エスタックイブファイン」と変わらないことが考えられます。
しかしながら、薬(特に、解熱鎮痛薬)を服用することで胃痛などの胃腸障害を引き起こす方も中にはいます。
そのため、かぜ薬(解熱鎮痛薬)服用による胃痛などの胃腸障害が気になる方は、制酸剤配合の「エスタックイブファインEX」の服用を検討ください。
エスタックイブFT
「エスタックイブFT」には、ベースとする「エスタックイブファイン」に、生薬成分であるケイヒとショウキョウ(生姜:しょうが)が配合されています。
この2種類の生薬は、頭痛や寒気に効果があると考えられています。
しかし、解熱鎮痛薬”イブプロフェン”にも同様の作用があります。
悪寒・寒気については、厚着をするなどして体を温めることも可能です。
したがって、頭痛・発熱や寒気・悪寒がひどい場合には、「エスタックイブFT」の服用を検討してもいいでしょう。
エスタックイブTT
「エスタックイブTT」には、ベースとする「エスタックイブファイン」に、抗炎症薬”グリチルリチン酸”と制酸剤”酸化マグネシウム”が配合されています。
先にも述べましたが、制酸剤はかぜ症状を緩和する成分ではありません。
また、「エスタックイブTT」には、のどの炎症を鎮めるための抗炎症薬”グリチルリチン酸”が配合されていることも特徴の1つです。
しかし、解熱鎮痛薬”イブプロフェン”にも抗炎症作用があります。
つまり、”イブプロフェン”の作用のみで炎症を鎮めてくれる可能性もあります。
したがって、のどの炎症・痛みがつらく、かぜ薬服用による胃痛などの胃腸障害が気になる方は、「エスタックイブTT」の服用を検討ください。
エスタックイブNT
「エスタックイブNT」に配合されている有効成分は、「新エスタックイブエース」と全く同じです。
違いといえば、PTP包装かバラ包装か程度でしょうか。
選び方・選ぶポイントについては、「新エスタックイブエース」の段落をご覧ください。
「エスタックイブ」シリーズの選び方
ここまで、「エスタックイブ」シリーズ7種類の有効成分上の違いや各商品の特徴などを「エスタックイブファイン」と比較しながら紹介してきました。
それを踏まえた特徴・選び方についても、各商品の段落で触れていますが、ここで1度まとめます。
※「エスタックイブファイン」をベースにした他商品の特徴
●エスタックイブ → 去痰薬なし
●新エスタックイブエース → 去痰薬なし
●エスタックイブファインEX → 制酸剤配合
●エスタックイブFT → 生薬成分配合
●エスタックイブFT → 抗炎症薬・制酸剤配合
●エスタックイブNT → 去痰薬なし(「新エスタックイブエース」と同じ)
「エスタックイブファイン」をベースに考えると、このような特徴が「エスタックイブ」各商品にはあります。
追加されている有効成分をもとに使い分けを考えると次のようになります。
●たんの絡みなし → 去痰薬なしの商品でOK
●かぜ薬服用による胃腸障害が気になる → 制酸剤配合の商品
服用上の注意点①
服用上の注意として、眠気や便秘の副作用が想定されます(ヨウ化イソプロパミドを含む商品では口渇も)
副作用は必ず起きるものではありませんが、服用する上で頭の片隅には置いておいてください。便秘の副作用対策として、こまめな水分補給を心がけてみてください。
服用上の注意点②
「エスタックイブシリーズ」にはすべて「イブプロフェン」が配合されています。
そのため、以下のような方は服用に際してさらに注意が必要となります。
・妊娠さん
・胃・十二指腸潰瘍既往歴がある方
・腎臓が悪い方
・15歳未満の服用NG
妊娠後期の妊娠さんの服用には、注意が必要です。
胎児の動脈管閉鎖症が問題となる場合があります。
また、「イブプロフェン」は胃にダメージを与えます。
そのため、胃・十二指腸潰瘍の既往歴がある方(現病歴である方も含みます)の服用は注意が必要です。
妊娠さんであれば、定期検診にかかるでしょうし、胃・十二指腸潰瘍歴がある方は食後服用を徹底することでリスクを抑えることは可能です。
そして、一般的にかぜ薬の服用期間は短期間です。
仮に服用してしまった場合も、大怪我につながる可能性は低いと考えます。
問題は「腎臓が悪い方」が服用した場合です。
腎臓が悪い方が、「イブプロフェン」のようなNSAIDsを服用すると急速に腎機能が悪化することがあります。
腎臓が悪い方の服用には、細心の注意が必要となります。注意というよりも、服用しないでください。
さらに、市販薬において、15歳未満の服用は認められていません。
重ねてになりますが、使用上の注意点は頭の片隅に置いて、過度に怖がらず正しく服用してださい。
「エスタックイブ」シリーズまとめ
ここまで、「エスタックイブ」シリーズを選ぶ基準として「エスタックイブファイン」と比較しながら、各商品のの違いや特徴、選び方などについて紹介してきました。
「エスタックイブファイン」をベースに、各商品の特徴を簡単にまとめると次のようになります。
※「エスタックイブファイン」をベースにした他商品の特徴
●エスタックイブ → 去痰薬なし
●新エスタックイブエース → 去痰薬なし
●エスタックイブNT → 去痰薬なし(「新エスタックイブエース」と同じ)
●エスタックイブファインEX → 制酸剤配合
●エスタックイブFT → 抗炎症薬・制酸剤配合
●エスタックイブFT → 生薬成分配合
「エスタックイブファイン」をベースに各商品の特徴を挙げるとこのようになり、追加されている有効成分をもとに使い分けを考えると次のようになります。
●たんの絡みなし → 去痰薬なしの商品でOK
●かぜ薬服用による胃腸障害が気になる → 制酸剤配合の商品
「エスタックイブファイン」をベースに他商品を選んだとき、去痰薬配合の有無・制酸剤配合の有無が商品を選ぶ判断基準となります。
去痰薬配合の有無・制酸剤配合の有無で「エスタックイブ」を選ぶと、個人的には7種類から3種類に絞って選べるのではないかと考えます。
●エスタックイブファイン:ベース
●エスタックイブ:去痰薬なし
●エスタックイブファインEX:制酸剤あり
とは言うものの、どの商品を選んだとしても、基本的にかぜのあらゆる症状に効果があるものばかりです。
ご自身のかぜ症状によりぴったりの商品を選ぶ判断基準として参考にください。
「エスタックイブ」シリーズ基本情報
最後になりましたが、「エスタックイブ」シリーズの有効成分や用法・用量などの基本情報を紹介しておきます。
エスタックイブ
<有効成分(3錠中)>
・イブプロフェン:150mg(解熱鎮痛薬)
・ジヒドロコデイン:8mg(せき止め)
・dl-メチルエフェドリン:20mg(気管支拡張薬)
・クロルフェニラミン:2.5mg(抗ヒスタミン薬)
・無水カフェイン:25mg(鎮痛補助薬)
<効能・効果>
かぜの諸症状(のどの痛み、悪寒、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、発熱、頭痛、せき、たん、関節の痛み、筋肉の痛み)の緩和
<用法・用量>
1日3回、次の用量を食後なるべく30分以内に水またはぬるま湯で服用
・15歳以上:1回3錠
・15歳未満:服用NG
新エスタックイブエース
<有効成分(3錠中)>
・イブプロフェン:150mg(解熱鎮痛薬)
・ジヒドロコデイン:8mg(せき止め)
・dl-メチルエフェドリン:20mg(気管支拡張薬)
・クロルフェニラミン:2.5mg(抗ヒスタミン薬)
・無水カフェイン:25mg(鎮痛補助薬)
・ヨウ化イソプロパミド:2mg(鼻みず止め)
<効能・効果>
「エスタックイブ」に同じ
1日3回、次の用量を食後なるべく30分以内に水またはぬるま湯で服用
・15歳以上:1回3錠
・15歳未満:服用NG
エスタックイブファイン
<有効成分(3錠中)>
・イブプロフェン:150mg(解熱鎮痛薬)
・ジヒドロコデイン:8mg(せき止め)
・dl-メチルエフェドリン:20mg(気管支拡張薬)
・クロルフェニラミン:2.5mg(抗ヒスタミン薬)
・無水カフェイン:25mg(鎮痛補助薬)
・アンブロキソール:15mg(去痰薬)
・ヨウ化イソプロパミド:2mg(鼻みず止め)
<効能・効果>
「エスタックイブ」に同じ
1日3回、次の用量を食後なるべく30分以内に水またはぬるま湯で服用
・15歳以上:1回3錠
・15歳未満:服用NG
エスタックイブファインEX
<有効成分(2錠中)>
・イブプロフェン:150mg(解熱鎮痛薬)
・ジヒドロコデイン:8mg(せき止め)
・dl-メチルエフェドリン:20mg(気管支拡張薬)
・クロルフェニラミン:2.5mg(抗ヒスタミン薬)
・無水カフェイン:25mg(鎮痛補助薬)
・アンブロキソール:15mg(去痰薬)
・ヨウ化イソプロパミド:2mg(鼻みず止め)
・酸化マグネシウム:100mg(制酸剤)
<効能・効果>
「エスタックイブ」に同じ
1日3回、次の用量を食後なるべく30分以内に水またはぬるま湯で服用
・15歳以上:1回3錠
・15歳未満:服用NG
エスタックイブFT
<有効成分(2錠中)>
・イブプロフェン:150mg(解熱鎮痛薬)
・ジヒドロコデイン:8mg(せき止め)
・dl-メチルエフェドリン:20mg(気管支拡張薬)
・クロルフェニラミン:2.5mg(抗ヒスタミン薬)
・無水カフェイン:25mg(鎮痛補助薬)
・ケイヒ末:400mg
・ショウキョウ末:200mg
<効能・効果>
「エスタックイブ」に同じ
1日3回、次の用量を食後なるべく30分以内に水またはぬるま湯で服用
・15歳以上:1回3錠
・15歳未満:服用NG
エスタックイブTT
<有効成分(2錠中)>
・イブプロフェン:150mg(解熱鎮痛薬)
・ジヒドロコデイン:8mg(せき止め)
・dl-メチルエフェドリン:20mg(気管支拡張薬)
・クロルフェニラミン:2.5mg(抗ヒスタミン薬)
・無水カフェイン:25mg(鎮痛補助薬)
・グリチルリチン酸:13mg(抗炎症薬)
・酸化マグネシウム:100mg(制酸剤)
<効能・効果>
「エスタックイブ」に同じ
1日3回、次の用量を食後なるべく30分以内に水またはぬるま湯で服用
・15歳以上:1回2錠
・15歳未満:服用NG
エスタックイブNT
<有効成分(3錠中)>
・イブプロフェン:150mg(解熱鎮痛薬)
・ジヒドロコデイン:8mg(せき止め)
・dl-メチルエフェドリン:20mg(気管支拡張薬)
・クロルフェニラミン:2.5mg(抗ヒスタミン薬)
・無水カフェイン:25mg(鎮痛補助薬)
・ヨウ化イソプロパミド:2mg(鼻みず止め)
<効能・効果>
「エスタックイブ」に同じ
1日3回、次の用量を食後なるべく30分以内に水またはぬるま湯で服用
・15歳以上:1回3錠
・15歳未満:服用NG